産婦人科ノート

駆け出し産婦人科医の忘備録です。覚書程度、実臨床では正式なデータを参照してください。

2018-01-01から1年間の記事一覧

NCPR 呼吸の安定化

NCPRのプロトコールでは 努力呼吸やチアノーゼに対しては2次性無呼吸として安定化の流れに入ります。 講習会では基本的にプロトコールに従えば解決するシナリオが多いかと思いますが、 実際にはもう少し細かなアセスメントが必要です。 多くのお産では、プロ…

小児気管支喘息

小児気管支喘息のガイドラインを読み解く際のポイント 急性期治療 長期管理でのステップなどはひとまず考えず、その時の発作の強度に基づいた治療を適応する。 長期管理 症状のみによる重症度(見かけ上の重症度)と現在の治療ステップを考慮した重症度(真…

血中免疫グロブリン

感染性疾患を疑った際にIgG、IgM、IgAなどを評価することがある。 新生児の場合はIgGは胎盤通過性があるためある程度なければおかしい。 低ければ母体の免疫不全など疑い、高ければ母体の膠原病などを疑う。 IgMは胎盤を通貨しないので、高値は子宮内感染な…

ケトン体

血中ケトン体の分画にはアセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸があり、尿に尿中ケトンとして排泄されるのは3-ヒドロキシ酪酸である。 体内の血糖が足りなくなると、肝臓のグリコーゲンが分解され糖を供給するが、 それも通常2、3時間しかもたない。 すると、エネ…

新生児の小児科コンサルト

当院での決め事 ・排尿が生後24時間ない ・排便が生後48時間ない ・酸素25%クベース管理で改善ない

新生児のエコー(大雑把に)

心エコー 4腔像 バランス ・・・正常はLV>RV MVはTVより画面上は下に映る 弁の逆流 ・・・TRは少しくらいなら正常だが、TPG高すぎるとシャント疑い 中隔欠損 ・・・VSDやASDがないか PFOならペラペラが見える 肺静脈 ・・・LAにLUPV、LLPV、RLPVが還流して…

新生児の低血糖

正期産の場合 新生児は生直後は高インスリン状態であり、生後1~2時間程度で抗インスリンホルモンが出てくる。 また、グリコーゲンの貯蔵が不足しているケースも多い。 すなわち、新生児は生後2時間程度までは低血糖気味なのが正常である。 しかし、血糖値が4…

新生児の輸液管理

正期産の場合 日齢0 初期輸液は5%〜7.5%ブドウ糖液をWQ60(ml/kg/day)で開始する。 日齢0〜1では腎機能が未熟なため、Naフリーにしておかないと高Na血症になる。 日齢が1日進むごとにWQ+10ずつ上げていくイメージ 光線療法を開始した際は光線により不感蒸泄…

新生児の気胸

新生児の肺は水っぽいため、気胸になっても成人のように虚脱してくることは多くない。 胸部レントゲン写真上は肺実質の間質にリークする形で認めることが多く、縦隔近くだと、縦隔陰影が鮮明化する。 新生児の頻呼吸などで心エコー評価の際に、なぜだか観察…

基本的な輸液の考え方

まずは必要な水分量 成人はざっくり、 尿量 ・・・20ml/kg/day 不感蒸泄・・・15ml/kg/day 代謝水 ・・・5ml/kg/day つまり1日の維持液は 尿量 + 不感蒸泄 - 代謝水 = 20ml/kg/day + 15ml/kg/day - 5ml/kg/day = 30ml/kg/day ex. ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~…

小児の維持液

水分量は下記の式で計算する。 0~10kg 体重×100ml/kg/day ・・・① 10~20kg (体重-10)×50ml/kg/day+①の10kg分・・・② 20~30kg (体重-20)×20ml/kg/day+②の20kg分 ex. 8kgの小児では 8kg×100ml/kg/day=800ml/day なので1日の維持量は800ml 15kgの小児では (…

BCG コッホ現象

BCGは主に乳幼児の結核、特に結核性髄膜炎を予防するために行われている、予防接種の1つ。 接種対象は生後1歳までの乳児で、生後5〜8ヶ月で行われることが多い。 コッホ現象とは、BCGワクチン接種した際にすでに結核や非結核性抗酸菌症に罹患していた際…

小児 体重増加不良

正常な子供の発育にはある程度目安が存在し、そこから著しく外れるものには正しく介入することで、重大な疾患の早期発見や合併症の予防が期待される。 小児の体重増加不良は産後すぐに産院で気がつかれたり、乳幼児健診で気づかれることが多い。多くは哺乳や…