ケトン体
血中ケトン体の分画にはアセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸があり、尿に尿中ケトンとして排泄されるのは3-ヒドロキシ酪酸である。
体内の血糖が足りなくなると、肝臓のグリコーゲンが分解され糖を供給するが、
それも通常2、3時間しかもたない。
すると、エネルギー効率の良い脂肪を分解してエネルギーを作るようになるが、
その際にできる副産物がケトン体である。
血中のケトン濃度が高くなると嘔吐などの症状をきたすことがあり、
アセトン血性嘔吐症と呼ばれる。
その状況下でも、少しずつ血中の糖は消費されていき、低血糖にまで至ると、
ケトン性低血糖症と呼ばれる。
小児に多い病態で、尿にケトンが出てこなくなるまで、糖分を点滴で補ってやることが多い。
かつてはひどい低血糖で搬送され、突然死する小児がある程度の割合で存在した。
(現在でも少ないがいることはいる)
そういった際には先天性代謝疾患のことが多く、
ケトン体の分画などから代謝疾患を疑ったり、鑑別をすることがある。
現在はタンデムマススクリーニングがあるため、相対的な必要度は下がったと言える。